1/1ページ目 首相、村田はテレビを睨んでいた。 テレビでは、いま流行りのお笑い芸人がネタを披露している。 「ざけやがって…!」 村田は芸人が嫌い。 あんなふざけた事やって金稼いでる… 「ぶっつぶしてやるよ…!」 村田の口元が歪んだ…。 俺は今、巷で話題沸騰中の お笑いコンビ、 [ポッシボー] の1人、牧田だ!相方は清水。 昔から苦労してコツコツやってきたが… 売れればもうこっちのもんだ。 好き勝手暴れてやるよ…。 つい先日も、イロモネアで金をガッポリもらった所だぜ…。 このままお笑い界の頂点に登りつめてやるよ…! 「なぁ??清水…。」 「なんだよ…。いきなり…。」 「いや…。この界を支配するのも近いかもな…」 「なぁに言ってんの…。まだまだ先の話だよ…。ま…確実に支配はするだろうけどね…。」 清水の口元が歪んだ…。 しかし… この2人… いや…お笑い界を揺るがす大事件が起きた…。 「清水…!大変だあぁ!」 牧田は急いで、清水の部屋に…。 「あぁ……!聞いたさ…!今TVでも全Ch.その話題で持ちきりだ…!」 TVには、こう出ていた。 [お笑い禁止令発動!] かくして、この世からお笑いが消えた…。 数日、清水達、いや、お笑い界全員は路頭をさまよう。 「なんとか貯金があって助かったな…。」 「あぁ…。まさか…、お笑いが禁止されるなんてな…。」 「このままじゃ…!全員が死ぬぞ…!」 その時、部屋のドアが開かれた。 「す…救ってくれ…!」 その主は同期の佐藤…。 「どうした??」 「俺たちは…もう…金がない。生きれない…働けない…。」 佐藤は売れてないコンビだったな…。 「でも、救うって!?」 「俺らにはやる金はないぞ!」 「わかってる…!だから…お前らには…村田を潰してほしい…!」 「村田…!?あの首相か…??何故だ…??」 佐藤は悔しそうに言った。 「村田が……この…お笑い禁止令を考案したんだ…!」 「なんだと…!?」 「なんで村田が…!?」 「村田…あいつは…父親をお笑い芸人に殺されてんだ…!」 衝撃がはしる。 「村田の父親は芸人だった…。ボケだった…。ある時…ツッコミの威力が強すぎて…!」 そこで清水が思い出す。 「そういえば昔勉強した…!ツッコミが強すぎて…心臓が止まってたって!」 ……………………。 「佐藤…。村田を敵にまわすのは国を敵にすんのと同じだ…。厳しいぜ??」 「わかってる…。だからこそ、今、最も勢いあるお前らに頼んでんだ。」 「なるほどな…。」 「もちろん、芸人一同、お前たちをサポートさせてもらう。」 「わかった。やろうか。」「さすがだ。じゃぁ俺は、本部に旨を伝えてくる。準備できしだい、本部に来い。本部の場所は…お笑いホールだ――――――!」 その後、牧田達はナイフやらランプやらをかばんに詰めこんだ。 ここは、お笑いホール。 日本最大級。 お笑い禁止令が出されてからというもの、廃れてしまった。 ポッシボーは足を踏みいれた。 中はざわついていた。 「あ!わいらの救世主がきたで!」 その一言で、みんなが注目する。 舞台上には1人の男が。 「よく来たな…。とりあえず、こっちこい。」 あいつ…今、お笑い界を支配している者。 佐久田 智章…! 「はい…。」 舞台上に。観客席には、びっしりと芸人が。 自分の命がかかっているしな…。 「えー…でわ…今、私たちを救うかもしれないコンビ、ポッシボーだ。」 拍手が巻きおこる。 そこで牧田は言った。 「ちょっといいすか??」 「なんだ??」 「なんで俺らが行くんです??今、お笑い界を支配してんのはアンタだ…。アンタが行くべきじゃねーか…??」 牧田の言葉に会場がざわつく。 あの佐久田にもの申したから当然か…。 「………。私はもう歳でね…。激しい動きは出来ない…。何より、今キミ達が人気爆発中らしいじゃないか。」「えぇ…。まぁ…。」 シン…と静まりかえる。 この佐久田とかいうやつ…さすが今、支配しているだけはある…。 先ほどの言葉の中に…おぞましいオーラ、気、を感じた。 相当な手練だ…。 「でわ…作戦を伝える。」 佐久田は作戦を言う。 どうやら、村田は今、芸人の反乱をおそれ、国会議事堂の最も奥……[首相の間]にいるようだ。 さらに、数えきれない護衛が守ってるらしい。 「こいつらポッシボーには、後ろからやや前らへんに…。芸人行列をつくるんだ。奇襲をかける。」 またまたざわつく。 「しかし全員ではない…。国会議事堂の周りにも、護衛ははりめぐされてる。こいつらもやらないと…。」 佐久田…さすがだ。 「事前に渡しておいた資料を見るがいい。」 その言葉を聞き、紙をさわる音が響く。 「その資料の最終ページを見てほしい…。」 スクリーンには、国会議事堂周辺の地図が映し出される。 「キミらの資料には…。これと同じ地図、それと、番号がしるされているはずだ。」清水は、手前の芸人の資料をのぞく。 そこには、大きく1つの番号と、議事堂周辺に小さく番号がたくさん書かれていた。 「でかい番号が自分の番号…。議事堂周辺の番号とリンクしてるから…その番号、場所が配置だ。」 ざわざわ…まただ。 「あ!俺行列の先頭じゃあん!」 そいつは、肉体系ピン芸人マッチョ澤井。 「あぁ。キミになら先頭をまかせられる。先陣をきれ。」 「うっす!」 その時、誰かが手を上げた。 「なんで俺が澤井より下なんだ??」 あいつは…澤井のライバル的存在…。 [カルマルカ]の、武田だ。 「ふむ…。お前も…確かに強いようだな。だからこその真ん中らへんだ。真ん中が手薄じゃ意味ないだろ??」 「く…。」 佐久田はまたもや言い返す。 「みな、自分の場所は確認したな!作戦決行は来週の日曜日!各自準備な!」 「おぉー!」 会場が盛り上がった。 「それじゃそろそろ…。俺らの役を説明してもらおうかな…。」 牧田が言った。 「あぁ…。ポッシボーのお前ら…実際、お前達は、今ここにいるやつらの力、すべてをしのぐ。だから…。敵軍最強最凶指令官、村田を倒す役だ…。」やはり…か。 「首相の間までは、ここにいる芸人がお前らを守ってくれる。村田を…潰してくれ…!」 「あぁ…! やってやんよ…!」 そして、その日はやってきた。 議事堂前、そして周りに芸人がはびこる。 各々、トランシーバーで連絡をとる。 佐久田は本部で指令係。 「まずは…。周りの守護兵を一掃だな。周り芸人…頼むぜ…!」 3……… 2…… 1… 0。 周り芸人達が、一斉に議事堂周り兵に襲いかかった! 「キャー!」 一般市民が叫ぶ。 「時間はもうない!突撃や!」 澤井率いる行列が議事堂に流れ込む。 「き…きさまらなにやつ!」 入口兵が言うが、この人数には勝てない。 「力、人数で押し切るんや!」 その戦法で最初はいけた。徐々に敵の数が増えてくる。 「戦いが…厳しくなってきたな。」 戦力が分散してきた。牧田と清水はなるべく守られて進んできた。 その時。 「死ねやああぁ!」 突然の後ろからの強襲。 後ろの守りをおこったっていた。 「畜生…!」 目をとじた時、体と敵の間に誰かが入り、身代わりになった。 「さ…佐藤ー!」 犠牲は佐藤だった。 胸を深く刺されている。 「うるせ…はやく、いけやあぁ…!」 「で、でも…!」 「お前らしか…お笑いを救えるやつはいねぇ…。俺に構わず先にいけ!」 「わかった……!」 「守護芸人はすべてここで敵を止める…。お前らは、首相部屋まで突っ切るんだ!」 「わかった…。」 牧田&清水は部屋まで走り、ついに、開いた。 そこには、村田が、待っていましたといわんばかりに装備を整えていた。 「待っていたよ…。キミたちならくると思ってた…」 「うるせ。殺らせてもらう。」 牧田が突っ込んでいった。「威勢だけはいいようだな。」 村田は片手一本で、牧田をとめた。 「嘘だろ…!?牧田の突進は、闘牛ほどの威力があるんだぞ…!?」 清水は、この国の首相にたてついた事を今更になって後悔した。 自分たちの実力なら、いけると思っていた。 だが…こいつ…強すぎる… 「さぁて。ころしちゃっていいのかな??」 絶望…感。 その時。 「まぁまぁ。そうあせんなよ。」 窓ガラスから、誰かが割って入ってきた。 「佐久田…さん!?」 なんとそこには佐久田が。「すみません…俺らじゃ無理だったみたいです。」 言うと佐久田はこちらを見た。 「わかってたよ。お前らじゃ無理なことなんてな。経験をつませようと思うてな。…こいつは俺が殺ろう。」 佐久田は村田と対峙した。「お前は誰だあぁ??お笑い界のボスか??…なら手っ取り早い。こいつを殺れば、根から根絶できるってわけか。」 「…俺がそんな簡単に負けると思ってんのか??」 佐久田は一瞬で村田との距離をつめ、殴打した。 「は…はえぇ…!」 牧田と清水は、もはや腰抜けていた。 トップにたつには、こんな実力が必要なのか…!? 「へぇ…パワーもなかなかじゃん♪」 次は、村田の連続拳が炸裂。佐久田はそのひとつひとつを、確実に防御していく。 そこで、清水と牧田は、意識がなくなった。 戦っている2人の『気』に、精神が耐えられなかったのだ。 「うぅ〜ん…。」 ここは…?? 病院…?? 周りには、ともに戦った仲間たちがいた。 「起きたか…牧田…。」 「あぁ…。なにが、どうなったんだ??」「終わらせたよ…。佐久田さんが…すべてをな。」 聞くと、あの戦いは、佐久田が辛勝したらしい。 しかし、佐久田もかなりのダメージを受けたそうだ。「じゃあ…お笑いは復活すんのか!?」 「あぁ…!今はまだだが…多分…な!村田は、死んだらしいしな…。」 「そっか…!なら安心だ。」 こうして、お笑い界には光が戻った。 テレビではまた、芸人が生き生きと活躍している。 「待ってろよ、佐久田さん…!もっと強くなって…必ずトップにたってやるからな…!」 牧田と清水は… 誓った。 完 [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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