ただの物語

艨ィ現実的鬼ごっこ3〜死の感染〜←
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「あ〜あ、だりぃな。」
「だよなぁ〜。夏休みに、校長の話聞くためだけに行くなんてな。」

山崎は武田に言った。

「高校2年の2クラスだけだもんな。訳わかんないや。」
「まぁいい!行くぞ!」
「はぃはぃ…。」
これが、運命を変える事になる。








「あのー…」
校長が話をはじめた。
『ぎゃはは!まじ!?』
『んだよー…』
生徒達はまともに話を聞かない。
まさにクズの塊である。

山崎、武田もその中の一員なのだが。



その時。



「ひゃーははははぁ!てめぇらぶち殺す!」
校長がいきなり叫び、ステージから飛びおりた。


「なんだなんだ!?」



「ひゃはは♪殺る♪」
近くにいた女子生徒をひっかいた。


「感染…感染…♪」
校長はそういい、たおれた。


「だ、大丈夫か!?」


数人が女子生徒につめよる。


しかし、次の瞬間。

「ひゃはは…♪」


「!?」


女子は暴れだした。
こんな人ではなかったのだが…。


「か、感染したんだ!校長のあれが、こいつに!」


体育館はすぐに悲鳴に包まれた。



「じゃあ、こいつに攻撃うけたら、自分がこんなんになっちまって、更に死ぬのかよ!」





山崎・武田はこれを冷静にみていた。


「まずいことになっちまったみてーだな…」
「あぁ…。学校こなきゃよかった…。とにかく、ずらかろう。」




2人は密かに教室に戻った。













「ふぅ…おそらく、学校からはでられないな。」
「だな。てか教師もいないから…、謎の組織かなんかによる犯行だろう。学校からでようとしたら、撃たれたりするかも。」



2人は天才である。
まぁ、この学校でだが。




「多分、校長になんらかの薬をあたえたんだろ…。その効果は人がかわる。更に、それは感染する…。」


「なんのためにそんな事するんかね…。」


「さぁ、な。」


そこに、人が来た。


「西野…か。どうした??」

「お前らこんなとこに…。あのな、あいつから逃げてたら、動きが止まったんだ。」
「ほぉ。」
「なんか…、これは一週間続けるんだって…。」
2人は釈然としない。

「なんで分かった??」
「体育館のスピーカーから放送でな…。」


スピーカーからの放送…。多分録音だろうが、やつらはこの学校の内部を操作できる。
それは間違いない。



「それで??」

「夜11時〜朝6時までは敵の動きがとまるらしい。睡眠時間だな。」

やつらも考えてんじゃん…


「めしは??」
「それについては何も言ってなかった。大丈夫なのかな。」




「そう…か。」



「次は、いつ動きだすんだ??」
「1時間後らしい。」


なるほど…
先ほどのはみせしめ…か。



「みんなをこの教室にあつめろ。」

山崎は放った…。













わいわい。
教室には2クラス分の人が集まった。
体育館で、化物とかした女子生徒を除いて…。

山崎と武田が、指揮をとる。
この2人の頭の格が、他の誰よりも違う事をみんな分かっているため、すんなりと従うのだ。


2人は、今まで自分が考えてきたことを伝えた。
「……………以上だ。気をつけろよ。」


「…。」
流れる沈黙。


「ここからもでれない…。こんな地獄で1週間なんて…」


「泣き言をいうな。仕掛けられた俺らへの挑戦状だ。…勝つ!」






今の“鬼”が解凍されるまで、あと5分…。



「集団で逃げるのはよせよ。4、5人くらいのチームで逃げるんだ。小回りがきく。」




山崎と武田は、別チームとなるようにした。





「YES!WE CAN!」


そう武田が言ったと同時に、鬼解凍の時間となった…




























「…ひとまず、放送室に逃げこんだはいいが…。」
武田は、田中、鈴木とチームを組んでいた。

「まさか…こんな事になるなんてね…」
田中がもらす。

「ま、でも、武田くんと同じチームになれたから、それが救いかな。」
鈴木もいう。


「まぁね〜…。」
武田は、外を伺った。


そこで、絶句した。


鬼が、こちらに歩いてくるのだ。
こちらには、この放送室しかない。
間違いなく、入ってくる。

やべぇ…!
どうする…!
一瞬で何百通りものパターンを考えた結果…


「鈴木…、ちっと、廊下の様子伺ってや。」
「あぁ。分かったよ。」


鈴木は、武田のいう事をすんなりときいた。
先ほどの言動からも、当然だ。



鈴木が廊下に出た瞬間、ドアをしめ、鍵をかけた。


「おま…!何を…!」
田中は驚く。



「仕方……なかったんだッッ!」


鈴木が、ドアを必死にたたく。
「武田…武田ッ!鬼、いるよおぉ!中にいれてよお!」


「あけてやれ!」
田中があけようとしたのを武田は手で制した。


「それでも人間か…!?」


「馴れ合いじゃ、生き残っていけねーんだよ…!」

鈴木の後ろに、鬼が来た。すると、鈴木は一瞬で顔をかえ、廊下に堕ちた。


「ひゃはは♪感染、感染…」
そう言って、元鬼も堕ちた。

「うわあぁ…!早くにげよう!」
「分かっている!」
武田は素早く、放送のスイッチをいれた。


【鬼が変わったッ!次は鈴木だぁ!】






みんなに衝撃がはしる。

山崎もその1人だ。




「もう、かよ…!」



















武田と田中が、放送室からだいぶ逃げた時、鈴木はむくりと起きあがった。


「ひゃは…♪感染…感染…♪」





すたすたと廊下を歩いていった…



















「俺が……殺る!」



全く人気のない廊下に逃げた、柔道部の加賀を筆頭にした、バトルチーム。
メンバーは
柔道の加賀
空手の新崎
ラグビーの大江
野球の高見








全員が、強い。



そのチームが、人気なき廊下で、鈴木に出くわしたのだ。


「こいつ…鬼…だよなぁ??」
加賀が確認する。
「あぁ。」

「なら、殺れるだろ。」


加賀は考えていた。
鬼をやれば、すべてがおわるんじゃ??



体格差もかなりあるし、余裕だろ??


「こいよ…鈴木!」

鈴木と加賀の間合いが近くなった時、加賀が殴りかかった。



しかし。


鈴木はそれを片手一本で受け止めた。


「な、なに!?」

更に、かなり力が強い。
これは鈴木の力ではないはず。



加賀は片手で放りなげられた。



「嘘だろ…!」
他の3人は恐怖にかられ、動けなかった。


鈴木が、3人をナメるように見る。



「次…お前♪」


ターゲットを大江にしたようだ。



「ぉ、大江、生きろよ!」新崎と高見は走ってにげた。

「そんなぁ!?」

大江は焦った。
このバトルメンバー中じゃ最弱の俺にくるか!?

いや…鈴木はそれを見極めたのか…!?


加賀はさっきので、頭うって気を失ってるし…。




「…こいや!」
大江は覚悟を決めた。









数分後、
鈴木の攻撃をすべてギリギリでかわしていた大江。


「…ちッ。体力がなくなってきちまった…。このままじゃ…。」



そこに放送が入った。



【みんな!次の鬼は大江だ!】


高見の声。



あいつ…!なめやがって…!

俺はまだ死んでねぇって…!



…ま、もう死ぬかな…。


あきらめ、鈴木の攻撃をくらおうと目をつぶった。


…!




しかし、いくらたっても痛みがない。



恐る恐る目をあけると、鈴木の動きが止まっていた。



「なんだ??」


スピーカーから声。
おそらく、山崎が言っていた録音されたやつらの声とはこれのことだろう。





【みんなー!がんばってるー!?まぁいいや。昼食をそれぞれの教室に配布した。いまから1時間、昼休みだ。それまで鬼は止まるから安心しな。】




昼休みかよ…。
助かったな…。



大江は、加賀を担ぎ、教室に向かった…。





















「今日の犠牲は、校長、女子生徒、鈴木、大江、そして気絶の加賀か…。」



武田は考えていた。


やはり…
加賀でも敵わなかったほどの力。



感染すると、身体能力が飛躍的にUPする…。




山崎は言う。


「俺らが一番に教室にきたが…。すでにすべての机の上に、これが用意してあった。」



それは何のへんてつもないパンと牛乳。




「やつらが用意したのは明白だが…。」





1人の女子が、口にだした。「やつらが用意した食べ物なんて食べる気もしないわ。何が入ってるか分かったもんじゃない。」



それもそうか…



「まぁまぁ。どっちにしろ、1週間続くんだ。食わなきゃ死ぬぞ??」


誰かが言う。


「そうね…。」


「つか俺、もうくったしな。」

武田が手をあげた。


教室がざわついた。


「まじかよ…何のおそれもなしにか…!?」



山崎は武田を見て思った…


やはりこいつ、出来る。
頭の良さでは張り合うが、いざとなった時の頭のキレは武田の方が上だ…。
多分だが、鈴木も、武田の策略で犠牲にさせられたのだろう…。
それと、このパンの一件。度胸もある。俺はまだ心のどこかに不安があり、食べれなかったというのに。






山崎は、武田に畏怖の念を覚えた。
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