ただの物語

艨ィパズル的鬼ごっこ←
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「………だから、このピースはここにはまる訳だ…」

そう言うと今野先生は一つ、枠にピースをはめた。



それを目の前の電子机で同じ事する、生徒たち。


その中に丹野はいた。



「あぁ、めんどくせ…。」
呟いたその時、今野は言った。

「いいか??お前らは選ばれしパズルランナーなんだ…!この3-Aにいるというのはそういう事だ…!」




パズルランナーって…。
馬鹿かって。



丹野は思っていた。












この学校は、私立駒場学園。



入学の条件は、走るのが速い事とパズルが得意な事。



入学試験なんて建前で、実技さえよけりゃ確実にはいれる。





丹野はその両方、かなり得意だったため迷わずこの学校に。







「はぁ…。」

丹野は休み時間になり、ため息をついた。



「どーした??」


声をかけてきたのは、友人の益田。



「いや…、お前、この生活なれたの??授業はすべてパズルに関する事だけ!部活には陸上部に全員強制!訳わかんねぇよ!」



丹野はわめいた。



「はははは!それ覚悟でこの学校にきたんじゃねぇのかよ!まぁそれも今年で最後だしたのしもうぜ??」



「はあ〜…、あ、次はパズルVか。教科書ロッカーだわ…。」




丹野はパズルAを机にしまい、Vの教科書を取りにいった。






皮肉にも丹野はこの学校一のパズルの腕前なのだ。
まぁ普通の勉学は並なんだけど。



益田もA組なだけありパズルの腕も走りの速さにも定評がある。

















――――パズルと足のみで構成されているのが――――この駒場学園―――――!










まぁそんなこんなで授業をうけていると…




『ひゃーはっはっは!みんなきいてるぅ!?』




スピーカーから声。

いかれ校長の声だ。



『みんなパズルの勉強に没頭中だろーけどいまからゲームしまーす♪』



「はぁ??ゲーム??もうなにもかもめちゃくちゃやな。」



丹野は呆れはてていた。

いくら文字の世界といえどこんなのあり??と。



『まぁあれさ。優秀なやつら以外いらねーから3-A以外帰ってよし!今日は自習ね♪』




はいきた。
強制参加ゲーム。
これで俺主人公フラグ決定☆
そもそも学園一とか行ってた時点でフラグたってたか。




隣のクラスからは歓声がきこえてくる。


ちくしょう…!
そっちにいたかったよ…!





『とりあえずまぁ、いま3-Aで授業してた先生は職員室に戻ってきて!生徒たちはコンピュータ室へ♪』



「はぁ…だるっ…」

そう言って授業してた若林先生は教室を出ていった。



残されたA組連中。
まぁあんま人数はいないのだが。


「どする??」
「いくしかないっしょ。」「はやくおわらせてー笑」



そしてみんなコンピュータ室へ。

すると紙がありなにかかかれていた。



『モニターつけて!職員室につながるから。』



つけた。



そこには校長と若林だけがたっていた。




『よっ!キミらにはいつもの勉強の成果をためしてもらいます♪題して【走って集めて!ドッキドキパズルゲーム】でーす♪』


『いぇ〜い…』

若林がだるそうに拍手した。




「分かった分かった…。で??どうやるの??」





クラスのリーダー乳牛君がいう。




あれ??リーダー丹野じゃないの??笑







『実は校舎には300ピースかくしてあるんだぁ♪それを3日以内にみつけてそこにある枠にはめこみ完成させればキミらの勝ち!』




「それだけか…。で??若林先生はなんのために??」


『いい質問。それはキミらのやる気あげるためさ。こいつには12時間毎に地獄の苦しみを味わってもらう…。地獄の、苦しみをね。』



校長はイヤな笑みをみせた。




場がこおりつく。



『しかもさぁ、ただ見つけるだけじゃつまんないじゃん??だから鬼ごっこ要素も取り入れたんだ。鬼につかまると死んじゃうかもよ??(笑)鬼に気をつけてピース探せよな。』










地獄の苦しみ――――死――――――。



リアルな言葉が生徒たちを襲う。






「――――いこう。」




「―――え??」


乳牛の言葉に皆静まりかえった。



「『生きる上での最大の障害は希望を持つ事だ。それは明日に依存して、今日を失う事であるから。』――――古代ローマの悪名高きネロ、その師であるセネカの言葉だ。…………これは希望を持つ事を否定してるんじゃない。今日を一生懸命生きろって言ってんだよ…。」




「なる、ほど…。」






正直、ほとんどのものが理解できなかった。


それも当たり前か。
足パズルだらけだから。


乳牛は普通に頭もよかったのか…。









でもみんななんか恥ずかしくて、いかにも分かったような顔をしている。





















『決意は固まったようだな。それでは…はじめるか。』










――――――――禁断のゲームが今、幕をあける……!
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