鬼塚道夫



鬼塚道夫(おにづかみちお 1926年生)
 [バス車掌]


 戦後間もない1947年9月1日、大瀬戸発長崎行きの路線バスは、打坂峠の頂上までもう少しのところでギアシャフトがはずれ動かなくなってしまった。運転手はブレーキをかけようとしたが故障しており、そのままバスは坂を後退していった。バスを降りて止めるように指示された車掌・鬼塚道男は、石を車止めにしようと試みたものの、加速がつき、多くの客がバスに乗っており、石を乗り越えて、ついに崖まであとわずかというころまで迫った。その時、鬼塚車掌が自らバスの下に潜り込み、崖まであと数メートルというところでバスを自分の体を下敷きにして止めた。

 買い出し客や、市内の病院へ被爆した子どもを連れて行く途中の母親たち30人あまりの乗客と運転士は全員無事だったが、鬼塚車掌は搬送先の病院でわずか21歳というあまりに短い生涯を終えた。

 1947年当時の打坂峠は現在より勾配がきつく、道路はまだ舗装されておらず、しかも片側が深い崖になっており、運転手からは「地獄坂」と恐れられた難所であった。戦後すぐの当時のバスは現在のようなディーゼルエンジンではなく、木炭バスとよばれる木炭を代替燃料に使用したバスであった。走行中にエンジンが停止することも多かったので、坂道では乗客が降りてバスを押すこともあった。

 この悲しい事故から27年後の1974年10月19日、鬼塚車掌の勇気を称え、長崎県時津町の事故現場に唐津石でつくった慰霊地蔵尊が建てられた。

 1947年9月1日死去(享年21)


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